
Web担当者の方は、日々の業務の傍らでサイト更新を行うというケースも多いかと思います。「更新作業には時間がかかる」「専門知識がないため修正に毎回苦労し、勉強時間も確保できない」など、忙しくて手が回らないとお悩みの担当者をサポートできるのが「CMS」です。
個人・企業問わず数多く導入されているCMSですが、近年では、従来型の動的CMSに加え、表示速度や安全性に優れた静的CMS、近年注目されているヘッドレスCMSなど、CMSの選択肢は多様化しています。CMSを選ぶ際には、それぞれの特徴を理解した上で、自社に最適な種類を選ぶことが重要です。
今回は、動的CMSと静的CMSの違いとヘッドレスCMSについて、それぞれの特徴を比較してCMSを選ぶ際のポイントを解説します。
まず、CMS(Content Management System)とは、プログラミングの知識を必要とせずにWebサイトの記事や画像などのコンテンツを簡単に更新・管理することができるシステムのことです。CMSは大きく分けて「動的CMS」と「静的CMS」があり、ページを出力する過程の中で異なる要素がいくつかあります。
動的CMSとは、ユーザーがWebページの表示をリクエストした際、データベースからサーバーが情報を出し、その場でページを組み立てて表示する仕組みです。ユーザーが見ることのできないWebサイトの裏側と、ユーザーが実際に見る表側のサイトの状態が連動している状態です。これにより、常にサイトに最新情報をリアルタイムで表示させることができます。
静的CMSとは、管理画面であらかじめ作成し保存しておいた完成済みのページを、そのままユーザーが見る表示画面に表示する仕組みです。動的CMSのように「ユーザーの表示リクエストがあるたびに、その場でページを組み立てる」という工程がないため、ページの表示速度が非常に速いです。また、公開ページ側にデータベースを必要としないため、セキュリティ面でも優れています。
▼3つのCMSの違い
動的CMS | 静的CMS | |
|---|---|---|
例 | infoCMS※1 | LENSAhub※2 |
仕組み | アクセスごとにサーバーがページを生成 | 事前に生成したHTMLファイルを出力 |
表示速度 | 〇 | ◎ |
セキュリティ | △ | ◎ |
向いているサイト | ・ブログ ・小~中規模サイト ・更新頻度が高いサイト | ・企業サイト ・LP ・小~大規模サイト |
サーバー | 一体型 1つのサーバーに「管理画面・データベース・表示画面」のすべてがまとまっている | 分離型 「管理・書き出し用サーバー」と「公開用の配信サーバー」が分かれている |
※1 ※2 株式会社インフォネット製品
また、柔軟なコンテンツ運用ができる「ヘッドレスCMS」も近年注目されています。ヘッドレスCMSとは、Webサイトの管理機能と表示機能が完全に分かれたCMSのことです。一つの管理画面で作成したコンテンツを、Webサイトだけでなくスマホアプリやデジタルサイネージなど、複数デバイスへ同時に配信することができます。静的ページ生成を主に行うため、静的CMSと似た部分もあります。自由度が高いヘッドレスCMSですが、表示画面を一から設計・構築するには専門的なスキルが必要となるため、コーディングやAPIの知識など、フロントエンド開発を理解・実行できる中〜上級者向けの選択肢となります。
種類がたくさんあるとCMSの選択肢が増える一方、どのCMSが自社に合うのか判断がしづらいかと思います。
ここからは、CMSを選ぶ際のポイントを解説します。
CMS選びで失敗しないための第一歩は、自社サイトの規模を明確にすることです。現在のサイトのページ数や、今後どれくらいページが増えていくのかなどを把握しておきましょう。機能の豊富さやコストだけで選んでしまうと、自社の規模に対してシステムが複雑すぎて「使いこなせない」ということや、ページが増えた際に「更新に時間がかかりすぎる」などの運用後の悩みが増えてしまいます。そのため、ページ数の現状の把握だけでなく将来的なページ増加も見据えた上で、無理のない運用ができるCMSを選ぶことが重要です。
社内のサイトの運用体制を確認することも、CMS選びで重要視したい要素のひとつです。セキュリティ管理やサイトの安全性を優先する場合や、大規模サイトで運用体制は複数の担当者で分業をしている場合は、システムの保守管理に手間のかからない静的CMSが適しています。一方で、少人数の運用体制で保存した内容を即座に反映させたい場合や、ユーザーごとに表示内容を出し分けたい場合などは、リアルタイムに内容を表示画面へ反映できる動的CMSが適しています。
お知らせや記事コンテンツの更新がメインで、週に数回程度など比較的更新頻度が低く、サイト全体の表示速度や安全性を優先したい場合は、表示速度に優れた静的CMSが適しています。一方で、一日に何度も更新し、即座にサイトへ反映させる必要があるような情報の即時性が求められるサイトや、ユーザーの属性に合わせてコンテンツを出し分けたい場合は、ユーザーのリクエストに応じてページを生成する動的CMSが適しています。ただし、静的CMSであっても更新頻度が高いサイトに対応できないわけではありません。LENSAhubをはじめとした静的CMSでは、強固なセキュリティを保ちながら動的CMSと変わらない快適さを備える製品もあるため、CMS選びの際は多角的な要件検討が必要になります。
このように、サイトの規模や運用体制、更新頻度を客観的に確認することで、自社に最適なCMS選びがより明確になります。機能の多さやコスト面のみで判断せず、自社の現状と照らし合わせるだけでなく、リニューアルを機に「今の運用をどう変えたいのか」を明らかにすることが、サイト制作において重要視したいポイントです。最適なCMSを選ぶことで導入後の運用がスムーズになり、サイトの成果を引き出すことができます。
CMSには、出力方式や管理方式によってさまざまな種類が存在しています。今回は、その中でも出力方式に絞って分類し、解説をしました。少人数での運用体制でも管理がしやすいということや、専門知識がなくてもサイトを更新できるというような人手不足をカバーできるCMSですが、それぞれの特徴を理解した上でサイトの規模や運用体制などの様々な要素を比較し、自社との相性を見極めることが重要です。Webサイトは、公開してからが運用のスタートとなります。「自社でどこまで運用・管理したいのか」などを整理し、自社に最適なCMSを選びましょう。
また、インフォネットでは、皆さまのお役にたてる情報発信の場として、オンラインセミナーを定期的に開催しております。
セミナーページは下記よりご確認いただけます。
コラム Webサイトの「静的ページ」「動的ページ」の違いとは?|株式会社インフォネット