AI時代におけるWebサイトのセキュリティ対策。WAFの重要性とは?

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2026/03/31
LENSAhub

Webサイトのセキュリティ対策として、皆さんの会社ではどのような対策を行っていますか?

2026年現在、「自社は狙われるほど有名ではない」という考え方はもはや通用しなくなりつつあります。生成AIによるサイバー攻撃の高度化が懸念され、企業の知名度や規模に関わらず、セキュリティ対策は年々重要度を増しています。

今回のコラムでは、高度化する脅威から自社の資産や信頼を守り抜くために必要な、社内の管理体制整備や、セキュリティ対策についてご紹介します。

目次

サイバー攻撃の現状とは

IPA(情報処理推進機構)が発表した「情報セキュリティ10大脅威 2026」では、今回初選出となった「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が3位に、そして「サプライチェーンや委託先を狙った攻撃」が2位にランクインしました。

特に近年では、AIの進化によって攻撃者がプログラムの脆弱性やセキュリティ管理不備を瞬時に特定し、自動で攻撃コードを生成・実行することが可能となり、人間が対応を検討する間もないほどのスピードで被害が拡大する攻撃の高速化や高度化が懸念されています。

また、自社の対策が万全であっても、管理を委託しているパートナー企業や利用している外部サービスの隙を突かれるサプライチェーン攻撃のリスクも深刻化しています。実際にWebサイトのわずかな脆弱性を見抜かれ顧客情報が流出したり、Webサイトが改ざんされて他社への攻撃の踏み台にされたりなどの事例も後を絶ちません。そのような攻撃を受けた企業では、業務停止や損害賠償等の発生、復旧に数か月の時間を要するといった状況に追い込まれています。こうした「いつ、どこから狙われるかわからない」状況下では、特定の場所だけを守るのではなく、全体を俯瞰した継続的な防御体制と、それを支えるルール整備が重要とされています。

そのため、昨今の状況を鑑みて、国からもそれらのインシデントに対する対策が検討されています。

2026年度に改正予定の「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度」については、下記のコラムにて解説をしています。

▼関連コラム

2026年度に改正予定!「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度」とは?Webサイト運用者がまず押さえるべきポイント|LENSAhubサービスサイト

▼参考

情報セキュリティ10大脅威 2026 | 情報セキュリティ | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

Webサイトのセキュリティ対策の仕組み

Webサイトのセキュリティ対策では、一つの強固な壁を築くのではなく、性質の異なる複数の対策を重ね合わせる多層防御という考え方が一般的となっています。これは、AIによる高度な攻撃を完全に防ぎ切ることが難しい現代において、たとえ一箇所の防御が突破されても、別の層で被害を最小限に抑えるために非常に重要な仕組みです。

具体的には、外部からの不正なアクセスを防ぐための入口対策、ユーザーとの通信を暗号化して窃取を防ぐ内部対策、そして情報の漏洩を防ぐための出口対策といった、複数の階層で守りを固めます。このように、入り口から内部に至るまで網羅的に対策を組み合わせることで、万が一の事態が起きても情報流出などの致命的な被害を回避し、Webサイトの安全性を維持しやすくなります。

入口対策であるWAFの重要性

多層防御の中でも、Webサイトを直接狙う攻撃を食い止めるために重要な役割を果たすのが入口対策としての役割を持つWAF(Web Application Firewall)です。一般的なファイアウォールがネットワークのヘッダー情報の整合性のみで、許可された通信かどうかを判断するのに対し、WAFはWebサイトへの通信内容そのものを精査します。これにより、従来のファイアウォールやIPS/IDS(侵入検知・防止システム)では素通りしてしまうような、SQLインジェクション※1やクロスサイトスクリプティング※2といった、プログラムの細かな隙を突くWebサイト特有の攻撃をリアルタイムで検知し、遮断できるのが最大のメリットです。

また、WAFの大きな特徴として「仮想パッチ」という機能があります。これは、OSやCMSに新たなネットワーク経由の脆弱性が発見された際、システム本体の修正が完了するまでの間、WAF側でその脆弱性を突く攻撃を一時的にブロックし続ける防御のための仕組みです。2026年現在はAIによって攻撃が超高速化しており、脆弱性の発見から攻撃開始までの猶予がほとんどありません。正規パッチが適用されるまでの時間を稼ぎつつ、Webサイトを安全に公開し続けられるWAFの存在は、現代のセキュリティ対策として非常に重要です。

サイバー攻撃によって、一度失った企業の信頼を取り戻すには、WAFの導入コストを遥かに上回る多大な時間と費用が必要になります。変化の激しい現代のWeb環境において、WAFは単なるオプションではなく、企業の継続性を担保するために行うべき対策の一つであると言えます。

※1 Webサイトの入力欄などを悪用して、データベースに不正な命令を送り込み、中身を盗んだり壊したりする攻撃

※2 Webサイトの脆弱性を利用して、偽のプログラムを他のユーザーのブラウザで勝手に実行させる攻撃

セキュリティ対策のための社内管理体制

Webサイトのセキュリティを強化するにあたって、まずは「現状、自社のサイトにどのような対策が施されているのか」を正確に把握することが第一歩となります。サーバーやCMSの基本機能だけで運用されている場合、高度な攻撃を防ぐには不十分なケースも少なくありません。

また、多くの担当者が悩まれるのが対策コストです。セキュリティは事故が起きてからの事後対応や、運用開始後に個別の製品を追加するなどの後付けの対応になると、改修費用や導入の手間が膨らみ、結果として総コストが高額になることが考えられます。

そのため、新たにWebサイトを構築・運用する際には、あらかじめWAFなどの主要なセキュリティ機能が標準装備されているサービスであるかどうかを確認することもおすすめです。あらかじめセキュリティが組み込まれたサービスであれば、導入のハードルを下げつつ、運用の負担も大幅に軽減できます。

加えて、ツールの導入以外にも、社内にて運用の基本を徹底することなども非常に重要な対策となります。

具体的には、多要素認証(MFA)の導入や社員のリテラシー向上、万が一に備えた対応マニュアルの整備といった取り組みがあげられます。優れたツールも、適切な管理体制が構築されていなければ、有事の際に迅速な判断や対応を行うことが困難になります。誰がそのツールを運用し、有事に誰が判断するのかというルール作りをセットで行うことが、セキュリティ対策として重要です。

まとめ:企業の信頼性を守るためのセキュリティ対策

AIによる攻撃などによりサイバー攻撃が高度化するなか、多層防御の考え方に基づきWAFでWebサイト特有の脆弱性を保護することは重要です。セキュリティ対策を検討する際は、運用に必要なセキュリティ対策が最初から搭載されているかどうかを確認するなど、対策を企画・設計段階から組み込む「セキュリティ・バイ・デザイン」の考え方こそが、結果として最も効率的に企業の信頼を守ることにつながります。

高度化するサイバー攻撃からWebサイトを守り抜くために、まずは自社の現状を正しく把握しましょう。弊社では、セキュリティ診断を提供しています。目に見えないWebサイトの「穴」を可視化し、適切な対策への第一歩をサポートいたします。自社のWebサイトのセキュリティについて現状を知りたい、どんな対策が必要なのか気になるといった方はお気軽にご相談ください。

また、インフォネットでは、皆さまのお役にたてる情報発信の場として、オンラインセミナーを定期的に開催しております。

2026年4月15日(水)には「2025年度を振り返る!重大インシデントから学ぶWebセキュリティ 〜ガバナンス整備と実務のポイント〜」と題し、コーポレートガバナンスの整備の重要性やWebサイト管理における実務の具体的なポイントなどについてご紹介するセミナーを行います。今回のコラムと併せてぜひご覧ください。

▼セミナー詳細ページ

2025年度を振り返る!重大インシデントから学ぶWebセキュリティ 〜ガバナンス整備と実務のポイント〜

▼参考/関連ページ

総務省『国民のためのサイバーセキュリティサイト』

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MEGLASS finder (メグラスファインダー)